だんごたちが、まだまろこのおっぱいを飲んでいたころのこと。
みっつ並んだしっぽを撫でていたダーリンが、
ヒコのしっぽにこぶがあることに気づきました。 
まだしっぽが5cmあるかないかのころの話。

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触っても、嫌がりも痛がりもしないので、
こういう形なのかな?と思っていました。

11月7日、仕事が早く終わって帰宅、サークルを覗くと
まろこがヒコのしっぽを執拗に舐めている。

なんだろうとヒコのしっぽを見ると、赤く割けて血が出ていました。

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血の気が引く思いで、まろこから取り上げました。
まろこは明らかに動揺していて、
「どうしよう、この子ケガしてる、ケガしてる」と不安そうに見上げている。

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私がちゃんと治すから、まろこ、
ちょっとだけヒコを私に貸して。だいじょうぶだから。

そういうと、まろこはヒコのしっぽを舐めるのをやめて、
じっと私の目を見てた。

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病院に行く道すがら、アクセルを踏む足がわらってました。

到着したら、いつもの先生が
縫わないと脱落する可能性が高い、とおっしゃった。
かなり先のほうで、組織が弱いところです、と。

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このとき、譲渡先は決まっていなかったけれど、
ヒコはうちから出ることが決まっていた。
私は勝手に展覧会で活躍するヒコを思い描いていた。
すがるように先生に、お願い、なんとかして下さい!と頼んだ。


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 普段と違う形相の私を見て、先生はちゃんと話を聞いてくれた。
できるだけのことをしましょうと言ってくれて、手術が始まった。


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しっぽを包帯で巻かれたヒコを連れて帰り、サークルに戻した。
隔離も考えたけれど、ヒコの精神的な成長を思えば、母犬と兄弟犬から離すことがためらわれた。
まろこを抱っこして、絶対に包帯をとってはいけないよ、絶対だよ、と言い聞かせた。

その晩、一晩中そばについていたけれど、まろこは包帯をとらなかった。 


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キズは一進一退を繰り返して、毎日ヒコを連れて病院へ。
私はごはんが喉を通らない日々を過ごしてた。

いつの日だったか、先生が言った。
「しっぽだけの話ですよ。その他は健康優良児ですよ!」
ダーリンが言った。
「しっほがちぎれたって、ヒコはヒコだもん!」


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そうだね。ヒコはほんとにいい子だ。
穏やかだし、よく食べるし、よく走る。


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赤い子が産まれて、男の子で、お父さん犬は本当に立派な子で、
私はヒコもそうならなきゃって思ってた。何を背負い込んでいたんだろ。
背負い込みすぎたら捨てていこうぜ、なのよ。
何が起きるか誰にもわからない、今を生きるだけさ、なのよ。

っつーわけで、私とあんたのこれからのテーマソングは、
嵐のワイルドアットハートだぜ!

一度きりの人生転がるように笑って泣いて生きていくんだぜ!
こんな変なしっぽの犬いらないって言われたら、ウチの子でいたらいいじゃん。
OK、Allright、世界の果てまであきれるほど 君と、よ!


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・・・なーんて思っていたヒコが、昨日お婿にいきました。


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平日しかお引き取りにいらっしゃれない譲渡先さまの代わりに、
M先生がわざわざお迎えに来てくださいました。
いろいろとお話を聞かせてくださって、安心した気持ちでお見送りできました。

もしも旅立ちを決めたときは 何も言わないで見送るから、って。

ね? 最後までワイルドアットハートだったろ?


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蓬山公を見送った女仙の気分です。

愛しい子どもはあっけなく去った。

この年で、オトコとの別れでこんなに泣かされるとはね(笑

達者で暮らせ。